2010年4月アーカイブ

電子メール

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電子メールの利点は、いつでも発信できる一方、受信者は好きなときにそれを読むことができる点である。

つまり、電話のように発信者と受信者の時間を同時に拘束する必要がなくなり、時間という枷を破壊した。

一方、衛星や移動体通信は、いつでもどこでも利用できるという夢を実現し、場所の枷を破壊した。

メディア・ビッグバンは、これまで人間の行動に大きな制限を与えていたこの2つの枷を破壊し、メディアに縛られない、自由な生活を可能とした。

メディアは、あらゆる時間、あらゆる場所で、あらゆる人々を対象としたサービスを迫られている。

携帯電話

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携帯電話の登場は、電話機が一人一台の時代を実現し、それまで一世帯一台どまりであった電話の市場を大きく拡大した。

最近では、単に電話(音声での情報交換)としての利用に留まらず、電子メールや情報サービスのツールとしての利用が生まれている。

このように、新しいメディアの登場により、新たな市場が創造されるばかりか、メディアの複合的な利用により、さらに大きな市場に拡大していく。

幻国際化・ボーダレス規制の緩和、デジタル化による回線の共有化、インターネット利用の増大による回線需要の増大により、国際通信の費用は大幅に縮減された。

また、電子メール、WWWといった、ゆっくりと英語を読むことができ、気軽に海外と情報交換できる手段が現われた。

海外との情報距離・価格・格差は、今後ますます低くなり、海外の情報やサービスを利用したり、コンテンツを共有化するなど、国際化・ボーダレス化が大きく進展していくことであろう。

20世紀は、テレビ、ラジオ、電話などが登場し、「メディア」の時代ともいわれる。

特に、テレビジョンは著しい普及と成長を遂げ、メディアの歴史の中でも、かつてないほどの大きな影響力を持つまでに至った。

テレビジョンの登場以降も新たなメディアの模索が続けられたが、ごく最近まで、テレビジョンに匹敵するほど革新的なメディアは登場しなかった。

メディアの大きな目的の一つである、より多くの人々に、より多くの情報を伝達する目標は、テレビジョンにより一つの頂点をきわめたといえる。

もはや人間が一生かかっても処理できないほど情報が氾濫するようになり、情報そのものを人間がいかに効率的に取り込み、活用できるかが重要な問題となった。

テレビジョン以降において、時代が求める新たなメディアとは、隅々まで人々に情報を伝える新しい伝送方法の開発ではなく、情報の加工や効率的な利用方法、そのためのヒューマン・インターフェースだったのである。

過去の「ニューメディア」と呼ばれる一連の開発においては、依然、伝送方法の開発が中心であり、そうした時代のニーズに十分応えることができなかった。

しかし、「コンピュータ」「デジタル」技術の進展による低コストなコンテンツの複合化・加工技術の発達、「マルチメディア」「ハイパーテキスト」技術の開発による伝達方法の複合化の進展により、「ワープロ文書」「データベース」「パソコン通信」「cDlROM」などを経て、ようやく時代が求める新たなメディアが現われるようになった。

そして、近年の「インターネット」に代表される「ネットワーク」技術の進展により、通信・放送、データ.テキスト・音声・動画像などの媒体そのものが融合しつつあり、メディアは、さらに新たな局面を迎えつつある。

「デジタル化」によるコンテンツの複合化、「マルチメディア」による伝達手段の複合化に加えて、「、不ットワーク」による媒体の複合化は、単なる新しいメディアの登場ではなく、あらゆるメディアの分野において同時に革新がなされる「メディア・ビッグバン」といえる時代を迎えることになるだろう。

このメディア・ビッグバンによって、次のような革新が予想される。

新聞や書籍、ビデオやCDといったメディアは、依然メディアの中でも大きな地位を占めている。

こうした形あるメディア(ソリッド・メディア"本書における造語)は、販売・配布しやすく、保存やコレクションにも便利なことから、今後も残っていくことであろう。

しかし、メディア・ビッグバンは、その形態を大きく変えることだろう。

これまで、新聞や書籍といった紙に代わるものはなかなか現われなかった。

紙は、軽く携帯性に優れ、かつ低コストなメディアである。

しかし、技術の革新により、新聞や文庫本並みの小さな字を表示でき、ノートのように薄くて軽い液晶ディスプレイが実現可能となった。

こうした携帯液晶ディスプレイの優れた点は、百科事典のような大量の情報を格納しても紙よりも軽く、印刷コストや紙コストの低コスト化が可能な点である。

紙に匹敵する携帯性や表示が可能になったことで、紙の新聞や書籍に代わるメディアとなる可能性が開けてきた。

コンテンツは、ディスクやメモリといったソリッド・メディアやネットワークで配信され、利用者はそれを携帯ディスプレイに読み込ませて利用することになるであろう。

一方、音楽や映像などコンテンツを記録する媒体についても、変革が進んでいる。

CDに続いて、映像をデジタル記録するDVDが登場し、さらに記録可能なCDやDVDも登場してきている。

さらに着目すべきは、ICメモリそのものを記憶媒体とした「スマート・メディア」「コンパクト・フラッシュ」「ミニチュア・カード」や「メモリ・スティック」などの小型フラッシュ・メモリ、「マイクロドライブ」などの超小型ハードディスクなど、より小型で書き換え可能な記憶媒体である。

これらは、デジタル・カメラやノートパソコンなどの記憶媒体として、すでに普及しつつある。

こうした記憶媒体の特徴は、データ、音楽、映像など、さまざまなコンテンツを記録することが可能な点である。

逆にいえば、データ、音楽、映像は、どんな媒体に記録するかで区別されるのではなく、どんなフォーマットで記録するかで区別されるようになりつつある。

たとえば、音楽をMP3というフォーマットで記録したファイルは、インターネットで配信してパソコンで再生することができ、さらには、こうしたソリッド・メディアに記録して、専用のMPプレーヤーで再生することもできる。

一方、同じソリッド・メディアを使って、デジタル・カメラで静止画を記録したり、動画を録画することもできる。

これからのソリッド・メディアの特徴は、コンテンツの種類と媒体が分離している点である。

これにより、今後、コンテンツはさまざまなメディアで、さまざまな形態で供給されるようになり、さまざまな利用方法がなされるようになるであろう。

携帯電話・PHSの普及・大衆化は、その通信ツールとしての利用のみならず、メディアとしての利用の可能性を開いた。

特に、家庭内のみならず外出先でも利用できる点は、利用場所や機会が固定されている他のメディアより広く、さまざまなニーズ、シチュエーションで使われる点で、これまでのメディアにない有利な点である。

こうした点を背景に、WAPやiモードなど、携帯電話・PHSを使った情報サービスが次々と登場してきている。

これらは、移動中の利用者を対象に、ニュースや天気予報等の情報配信から、交通機関の案内、レストラン・ガイド等の情報提供サービス、チケットの予約・販売などの付加機能サービスまで多岐にわたっている。

表示画面の大きさや、使用できるキー数に制約はあるものの、むしろ、そうした限定条件からシンプルな表示と絞り込まれた操作性により、使いやすく、わかりやすいサービスとなる可能性がある。

また、携帯電話やPHSに接続した携帯パソコン、または内蔵したPDAやカーナビゲーション・システムを対象に、インターネット等を経由して、同様な情報を提供するサービスも先行して行われている。

こうした移動体のメディア(モバイル・メディア)において、もっとも特徴的なサービスとなりうるのが、位置情報の検出と表示、地図データとのリンクである。

携帯端末の位置検出には、GPSを用いるもの、接続しているPHSの基地局とその電波強度から検出する方法など、いくつかの方法が開発されている。

そうして検出した位置情報を、PDAなどの携帯端末上で地図と重ねて表示したり、さらには、周辺のレストラン情報などの地図上のデータベース情報を検索して案内することまで可能となっている。

携帯電話・PHSのもう一つの特徴は、電話やテレビの利用と異なり、個人の利用が特定できる点である。

携帯電話・PHSをメディアとしてみた場合、常にその個人とともにある究極のパーソナル.メディアとしてみることができる。

さらに、ラジオやポケベルと異なり、双方向での情報交換が可能なため、インターネットと同様に情報検索や、その利用動向を把握することも可能である。

通信手段そのものも、新たな開発が進められており、WlCDMAなどの新たな高速通信が実用化されようとしている。

これが実現すると、動画や高速データ通信などが可能となり、携帯型のテレビ電話も可能となる。

そうなると、個人向けに動画による映像情報提供も可能となり、現在のCATVやインターネットと同等以上の高品質・高機能なサービスが可能となるであろう。

携帯端末の進化、移動体通信の高速化は、ウェアラブル・コンピュータのような新しい個人情報ツールの形態を実現するかもしれない。

これは、超小型のコンピユータとディスプレイを身に付け、いつでもどこでも情報端末として利用できるようにするもので、家庭や社会のあらゆるところにコンピユータが存在するユビキダス・コンピューティングの対極にあるコンセプトである。

この情報端末は、テレビ電話であり、CATVであり、電子メールやデータベースを使えるインターネット端末であり、ウォークマンであり、アプリケーションをマウントしたパソコンとなるであろう。

テレビジョン放送は、メディアの歴史の中で、もっとも成功したメディアといえる。

しかし、メディア・ビッグバンによる革新の波は、不動と思われたテレビジョンそのものにも押し寄せてきている。

もっとも大きな革新は、アナログ方式からデジタル方式への転換である。

デジタル方式の導入により、より高画質、より多チャネル化が実現されるだけでなく、デジタル・ファイル化されたコンテンツ(動画ファイル、音声ファイル、静止画ファイル、テキスト・ファイルなど)との親和性がさらに高まった。

デジタル.テレビ放送は、これまでの動画像の放送に加え、双方向性や文字・静止画情報の提供といった機能を持つようになり、それらのコンテンツ・サービスは、インターネットのホームページとも共有化されることであろう。

当然、放送のデジタル化とともに、伝送経路の改革も進むことになる。

すでに、衛星放送のデジタル化が進んでいるが、今後は地上の放送電波およびケーブル・テレビのデジタル化が進展するであろう。

これにより、大幅なチャネル数が増大するばかりでなく、空いたチャネル・帯域を使って、さまざまな付加サービスの追加や通信サービスへの転用が行われると見られる。

特に、地上波によるHTMLファイルの配信や、ケーブル.テレビのインターネット通信など、伝送経路のインターネットへの活用が拡大するであろう。

最終的には、こうしたコンテンツ・サービスの共用、伝送路の融合とともに、デジタル放送サービスとインターネット放送サービスは融合することが予想され、番組コンテンツは、そうした媒体の区別を超えて提供されるようになっていくものと思われる。

さらに、デジタル・ビデオやハードディスクの進歩により、ユーザ側で放送コンテンツを自動的に選択・記録して、自由な時間に再構成して視聴するようになることも考えられる。

インターネットは、もはや一部の人々のメディアではなく、大衆メディアへと成長しつつあるといえる。

新しいメディア・商品の普及は、ごく一部の新しいものに興味をもって取り入れる人々(革新層と呼ばれる)から始まり、それが話題となり迎合して流行を形成する人々(迎合層)に取り入れられ急速に拡大し始め、大衆に取り入れられて普及していく。

日本におけるインターネット人口は、およそ一000万人といわれ、すでに迎合層から大衆層に取り入れられ始めていると見られる。

こうした中、多くの人々が検索サイトを利用しており、こうしたインターネットの情報検索の入口として使われるポータルサイトが、メディアとしての地位を築きつつある。

たとえば、一日2000万以上のページが見られており、テレビ並みの露出機会を持ちつつある。

こうしたポータル・サイトは、検索機能のほか、ユーザの嗜好に合わせた情報提供、ニュース・サービス、分野別のポータル・ページなど、より多くの一般視聴者を集めるためのさまざまな方策を模索している。

インターネットの特徴は、利用者がそれぞれ好みの情報を検索し得られるところにあるが、一方で、利用者がある程度分野を選択したうえで、テレビやラジオのように供給者から一方的に情報を受信したいニーズもあり、そうした操作をしなくても情報が得られるようなプッシュ機能を持ち始めている。

プッシュによる情報提供は、現在のところ、文字やアニメーションによる情報提供が主体となっているが、ケーブルテレビ・インターネットなどの普及によるインターネット回線の高速化やマルチキャストによるインターネット配信の実現、MPEG4などの圧縮技術の向上により、動画や音声によるインターネット放送も早晩普及することが予想される。

現在は、テレビやラジオのレオロジーで利用者がリアルタイムで視聴しているが、将来、利用者端末のハードディスク容量がさらに拡大することで、利用者が自分の好みを登録し、自動的に番組をより分けて録画するといった利用の仕方が可能となるであろう。

こうなると、もはや、放送の枠を超えたコンテンツの配信システムとして、音楽やビデオなどの配信サービスの開始も考えられる。

また、こうした動画像に対して、メール・ニュースなどのテキスト情報の配信も、依然重要な地位を占めるものと思われる。

テキスト情報は、情報を簡潔に迅速に伝えるのに優れ、情報の分類整理もしやすい。

一般大衆利用者の情報リテラシーが向上するにつれて、テキスト情報の利用は、今後ますます高まると思われる。

一方、インターネットは、マーケティングや決済など、メディア自身が機能を持つ、これまでにないメディアでもある。

インターネットによる情報提供を行うこと自体が、商品の販売であり、マーケティング情報の収集の機能を持っている。

オンデマンドによる情報の販売や、電子商取引による商品販売は、その市場の拡大とともに、現在もっとも注目されている分野である。

しかし、さらに着目すべきは、マーケティング情報の収集である。

インターネットによる情報検索は、それ自体が利用者の動向を表わしており、そうしたマーケティング情報を収集・利用することで、消費者の商品に対する嗜好動向、サービスに対する満足度、個人別の嗜好のセグメンテーション分類が可能となり、商品の改良、サービスの改善、効率的な販売プロモーションなどが可能となる。

今後、インターネットによる販売.消費市場が拡大するとともに、インターネット上におけるマーケティング情報の収集は、その重要度を増すことであろう。

デジタル化社会の浸透により、情報機器や記録媒体の価格、通信費用は大きく低減している。

一方、消費者が通信やメディアに支払うことのできる費用、さくことのできる時間には限界があり、メディア問におけるシェアの奪い合いが始まっている。

すでに、戦後初めて出版物の売り上げが低減し、テレビ放送の視聴時問もテレビゲームやインターネットに奪われつつある。

一方、供給者側においては、デジタル化やメディアの複合化により、大幅な合理化の可能性がある。

このため、今後、製造業や商業に続いてメディアや情報サービスの分野においても、価格競争もしくは媒体の再編が起こりうるかもしれない。

一方で、価値あるメディアに消費者が集中することも考えられる。

いずれのケースにしろ、現在のメディア産業の再編成を促す可能性がある。

紛媒体の垣根の破壊コンテンツのデジタル化は、フォーマットとメディアを分離し、媒体を選ばないようになったことで、それまで媒体に縛られていたコンテンツ販売を大きく変える可能性を開いた。

たとえば、これまで音楽はレコードやCDといった媒体として売られていたが、デジタル・フォーマットされた音楽ファイルは、ディスクに記録して販売するだけでなく、ネットワークで販売してユーザがダウンロードして利用することもでき、一つのファイルがさまざまな媒体で利用・販売できるようになった。

こうした動きは、近い将来、動画やリアルタイム放送にも拡大し、視聴権ビジネスなど、放送(メディア)事業者とコンテンツ供給事業者が分離することが予想される。

テレビジョンをはじめとして、これまでのメディアは、供給者側から消費者に一方通行に供給するものであった。

しかし、個人レベルでの端末の普及、ネットワーク技術の進展により、各消費者からの情報を得ることができ、双方向の情報交換が可能となった。

これは、単にオンデマンドが実現できるだけでなく、個人レベルでのユーザニーズと動向の把握が可能になった点で、これまでのマーケティングを大きく変えるものである。

こうした、メディア・ビッグバンは、単にメディア産業のみならず、社会生活や商業にも大きな影響を与えることであろう。

そうしたメディア・ビッグバンの中核をなすものとして、「インターネット」「ニューブロードキャスト」「モバイル・メディア」「ソリッド・メディア」があげられる。

携帯電話の登場は、電話機が一人一台の時代を実現し、それまで一世帯一台どまりであった電話の市場を大きく拡大した。

最近では、単に電話(音声での情報交換)としての利用に留まらず、電子メールや情報サービスのツールとしての利用が生まれている。

このように、新しいメディアの登場により、新たな市場が創造されるばかりか、メディアの複合的な利用により、さらに大きな市場に拡大していく。

幻国際化・ボーダレス規制の緩和、デジタル化による回線の共有化、インターネット利用の増大による回線需要の増大により、国際通信の費用は大幅に縮減された。

また、電子メール、WWWといった、ゆっくりと英語を読むことができ、気軽に海外と情報交換できる手段が現われた。

海外との情報距離・価格・格差は、今後ますます低くなり、海外の情報やサービスを利用したり、コンテンツを共有化するなど、国際化・ボーダレス化が大きく進展していくことであろう。

電子メールの利点は、いつでも発信できる一方、受信者は好きなときにそれを読むことができる点である。

つまり、電話のように発信者と受信者の時間を同時に拘束する必要がなくなり、時間という枷を破壊した。

一方、衛星や移動体通信は、いつでもどこでも利用できるという夢を実現し、場所の枷を破壊した。

メディア・ビッグバンは、これまで人間の行動に大きな制限を与えていたこの2つの枷を破壊し、メディアに縛られない、自由な生活を可能とした。

メディアは、あらゆる時間、あらゆる場所で、あらゆる人々を対象としたサービスを迫られている。

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