20世紀は、テレビ、ラジオ、電話などが登場し、「メディア」の時代ともいわれる。
特に、テレビジョンは著しい普及と成長を遂げ、メディアの歴史の中でも、かつてないほどの大きな影響力を持つまでに至った。
テレビジョンの登場以降も新たなメディアの模索が続けられたが、ごく最近まで、テレビジョンに匹敵するほど革新的なメディアは登場しなかった。
メディアの大きな目的の一つである、より多くの人々に、より多くの情報を伝達する目標は、テレビジョンにより一つの頂点をきわめたといえる。
もはや人間が一生かかっても処理できないほど情報が氾濫するようになり、情報そのものを人間がいかに効率的に取り込み、活用できるかが重要な問題となった。
テレビジョン以降において、時代が求める新たなメディアとは、隅々まで人々に情報を伝える新しい伝送方法の開発ではなく、情報の加工や効率的な利用方法、そのためのヒューマン・インターフェースだったのである。
過去の「ニューメディア」と呼ばれる一連の開発においては、依然、伝送方法の開発が中心であり、そうした時代のニーズに十分応えることができなかった。
しかし、「コンピュータ」「デジタル」技術の進展による低コストなコンテンツの複合化・加工技術の発達、「マルチメディア」「ハイパーテキスト」技術の開発による伝達方法の複合化の進展により、「ワープロ文書」「データベース」「パソコン通信」「cDlROM」などを経て、ようやく時代が求める新たなメディアが現われるようになった。
そして、近年の「インターネット」に代表される「ネットワーク」技術の進展により、通信・放送、データ.テキスト・音声・動画像などの媒体そのものが融合しつつあり、メディアは、さらに新たな局面を迎えつつある。
「デジタル化」によるコンテンツの複合化、「マルチメディア」による伝達手段の複合化に加えて、「、不ットワーク」による媒体の複合化は、単なる新しいメディアの登場ではなく、あらゆるメディアの分野において同時に革新がなされる「メディア・ビッグバン」といえる時代を迎えることになるだろう。
このメディア・ビッグバンによって、次のような革新が予想される。
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