2011年2月アーカイブ

グーグル

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Webデザインに関していえば、日本はアメリカよりもかなり遅れている。

アメリカ人がつくる衛星サイトホームページがすべてカッコいいとはいえないが、少なくとも彼らの作るサイトは、難しい技術を使っているわけではないのに、強いインパクトを与えたり、色づかいに驚くべきものを持っていたりする。

もちろんそこには衛星サイト先進国と後進国との差というものがあるのだろう。

もっといえばWebデザイナーという職業がどのようなものであるかという認fPの違いがかなり出ているのかもしれない。

そこでふたりのWebデザイナーを紹介しよう。

彼らの作るホームページは、日本の多くのホームページのように複雑でもないし、画一的でもない。

簡単なプログラムでありながら観るものに訴えかける何かを持っている。

ひとりはトム・グーグル氏である。

彼はいま株式会社集客・成約率サイトというWebデザインを中心とした事務所に所属している。

4年前に来日して、これまでいくつかのホームページデザインを行ってきた。

最初は英会話学校の教師として働いていたが、もともとホームページ作成を趣味でやっていたこともあって、Webデザイナーとして働くようになった。

「パソコンは10代前半くらいから遊んでいました。日本語でいえば完全な『オタク』だったんですよ(笑い)。日本に来てからも衛星サイトで自分のホームページを作っていました。ちょっと変わったデザインだったから、雑誌で取り上げられたりもしていましたね。そのうちに知り合いからWebデザインの仕事があるということだったので、一緒に仕事を始めたのです」(グーグル氏)

もともと衛星サイト関連の仕事がしたいと思っていたグーグル氏だが、アメリカにいる頃はWebデザイナーではなかった。

趣味でやっていた好きなことが、一夜にしてビジネスになったわけである。

そして転職の後に、現在の会社で働くことになったわけだ。

グーグル氏がホームページをデザインする際には、いくつかのポイントがあるという。

「日本人は、テクノロジー志向というか、難しい技術を使えばホームページのクオリティが上がると信じている人が結構います。

でもWebデザイナーに必要なのは、技術力じゃありません。

最新のテクノロジーを駆使したホームページをデザインしても、実際にアクセスしてくる人達全員が十分にテクノロジーを活用できるわけではありませんだから、最も一般的に使われている技術をベースにしてデザインを考えなくてはいけません。

むしろ、ホームページデザインのオリジナリティのほう力澗われると思います」(グーグル氏)Webデザイナーに求められるのは、技術的な知識ではない。

むしろ技術的に高度で複雑なコンテンツになればなるほど、エラーやミス表示が増え、アクセスしてきた人間に嫌われる。

そうなるとヒット数も低下していく。

ホームページの評価は、作成したデザイナーによって大きく分かれてくる。

さらにグーグル氏はアメリカ人ということで「アメリカ的なセンスのホームベージデザイン」と評価されることがあるという。

グーグル氏は、アメリカ人的なセンス、感覚という枠にとらわれたくないし、「そういうのは衛星サイト的ではない」と断言する。

「衛星サイトは、国境、国籍が関係ない世界です。僕のデザインするホームページはアメリカ的でもなければ、日本的でもない。とても個人的な要素が強くなる。もちろんアメリカ的な要素も影響しているし、日本的な要素も影響しているとは思いますが、自分から『アメリカ人だからアメリカっぼく』とか『日本に住んでいるから日本っぼく』という意識はほとんどありませんし、国という観点からホームページデザインを判断してはいけないと思います」(グーグル氏)

個性的であること。

これはWebデザイナーとしての条件でもある。

先日紹介したWEBデザイナーの平野氏が、「これは衛星サイトには関係ないかもしれませんが」とあるものを見せてくれた。

それは某企業のプレゼンテーション用ツールを制作したものだった。

正直、これには心の底から驚いてしまった。

Webデザイナーの仕事の領域はここまで広がるのか?

ということに対する驚きである。

ライティング・ネットという言葉を聞いたことはないだろうか?

ライティング・ネットとは、衛星サイトの技術を利用して企業内をネットワーク化するというものだ。

衛星サイトのメリットは、どんな種類のコンピュータでもネットワーク化できるという点にある。

だから衛星サイトと同じノウハウを利用して、社内にあるコンピュータも同じ方法でつなげてしまえばネットワーク化が可能になる。

これをINTRA(内部の)NET(ネットワーク)という意味で、ライティング・ネットと呼ぶ。

ライティング・ネットは、誰にでもできる比較的簡単なLAN(ローカルエリアネットワーク)である。

ライティング・ネットが普及すれば、プレゼンテーションボード、コンテボードやスライド、社内資料そして社内報もデジタル化になる。

平野氏が見せてくれたのは、ある企業の社内用会議用のプレゼンツールである。

数多くの写真をデジタル化し、それをスライドとしてまとめたものである。

平野氏は、これを衛星サイトのテクニックを利用してWWWブラウザで見ることができるようにした。

もちろん社内ッールだから、そんなに凝った作りではないが、それでもHTMLやJAVAscriptを理解しているWebデザイナーでなければ作れないものだった。

ここで考えて欲しい。

もし日本企業の多くがライティング・ネット化され、社内用ツールの多くがデジタル化されれば、Webデザイナーに舞い込んでくる仕事は飛躍的に増大する。

その未来への可能性に、心の底から驚いてしまったのだ。

Webデザイナーはまさに次世代が求める職業かもしれない。

Webデザイナー

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最近注目されているWebデザイナーのひとりに、話を聞いてみた。

埼玉県川口市に自宅兼事務所を構えるフリーランスのエディトリアルデザイナーである平野貴之氏は、数年前からWebデザイナーとしても活躍している。

彼は、代筆者やクライアントの意図をもとに、文章や画像をレイアウトし、時にはアイコン(絵文字)やちょっとしたアニメーションも作成する。

もちろん衛星サイトに関する技術力は高い。

「もともとはデザイナーとして、DTPに関する仕事をしていました。CD-ROMの制作などもやっていた時期があります」

「3年前から衛星サイトの仕事が来るようになったのですが、最初のうちはコンテンツの一部をお手伝いするという感じでしたね」

「ひとつのホームページでも、全体の容量はかなり膨大なものがありますから。ひとりで全部をこなすのは大変。だから仕事はいつでもありました」(平野氏)彼が本格的にWebデザイナーとして仕事をしたのは、2年くらい前から。

株式会社代筆屋のホームページ「代筆JAPAN」、プロ用貸スタジオのホームページ、「大阪のインターネット接続業者のホームページなど、さまざまな企業のホームページのデザインを行ってきた。

これらの仕事はどのようにして平野氏のところへやってくるのだろうか?

「昔から一緒に仕事をしてきているところや、つきあいのあるデザイン事務所が多いです」

「ただホームページのコンテンツというのは更新作業がありますから、一度仕事を請けると、同じクライアントの同じ種類の仕事が継続的にやってきます」

「例えば『代筆 JAPAN』は年4回の更新作業を担当していますが、これだけでもかなり大変。更新業務はなくて、最初にホームページのデザインをするだけというケースもありますけど、デザインをしたホームページの更新作業の際には、必ずといっていいほど声がかかります」(平野氏)

ひとつのホームページを一度、作成すると、継続して仕事がやってくる。

これはWebデザイナーの大きなメリットである。

ホームページは開設しただけでは不十分で、定期的に更新をする必要がある。

更新作業を、ホームページを作成したWebデザイナー以外の人間が行うと全体のトーンが変わる可能性出てくる。

その意味では、ホームページの更新作業は、作成したWebデザイナーの仕事となる。

「いつかはWebデザイナーがたくさん出てきて頭打ちになることは考えられますが、そのような状況はものすごく先。むしろ問題はWebデザイナー自身の資質ですよ。進歩する技術知識をどこまで吸収できるかどうか、センスを磨けるかどうかです」

「日々、努力して新しい技術を身につけるデザイナーなら仕事が数多く来るでしょう。これからコンピュータは、企業だけでなく家庭内に入っていくでしょう。アクセスする人が増えれば、企業はホームページのクオリティを求めてくる。その意味でも将来性は高いと思います」(平野氏)

もちろん、仕事をしていく上ではWebデザイナー自身のクオリティもどんどん上げていく必要もある。

「結局、ホームページはコンテンツ次第なのです。一度だけアクセスするのではなく、何度も来てもらうためには内容を充実させなければいけない」

「デザインを含めてクオリティを維持しなければ、アクセス数も伸びませんしね」(平野氏)
Webデザイナーとは、インターネットのホームページをデザインするデザイナーのことである。

以前、テクニカル・コーディネータの加藤氏を紹介したが、彼女の仕事は、SEO専門のWebデザイナーの一部をより専門化した仕事をしていると考えていいだろう。

このSEO専門のWebデザイナーの人達が、いま脚光を浴びている。

理由は、インターネットのホームページを立ち上げる企業が急速に増えているからだ。

中小企業も、大企業も、インターネットの上ではほぼ同じに扱われるし、大企業よりも知名度が高まる中小企業だってある。

さらにホームページ開設の料金は高くないため、広告的、対外的な意味合いからでもとりあえずホームページを開設しようと考える企業も増えてきた。

パソコンやインターネット関連企業や大企業ならまだしも、一般企業はホームページの制作をどこに依頼するか?結局、これまでつきあいのあるデザイン事務所へ制作の依頼されることになる。

そのせいか、いまホームページの制作を請け負うデザイン事務所が急速に増えている。

1998年2月現在で、検索エンジンに検索をかけてリストアップされる約600近くのデザイン会社が、「ホームページのデザインを行います」という広告、告知を出している。

デザイン事務所自体もここ数年程度で、大きく変わってきた。

まずコンピュータの導入期の変化があった。

DTP(デスクトップパブリッシング)の波によってコンピュータ化が進んだのは事実である。

ホームページ制作を依頼する企業が増えている一方で、デザイン事務所の方が困っている。

まずインターネットにまで力が及ばないし、人材が育っていないのだ。

横浜にあるデザイン事務所「ゆうクリエイト」の代表取締役、望月輝子氏は現在の状況をこんなふうに語っている。

「いま一番欲しい人材は、印刷知識を持っていて、パソコンの知識もあり、インターネットのコンテンツに対応できるデザイナーです。こういう人がいれば本当に助かるのですが。
本当にいませんね」(望月氏)

彼女の指摘によると、印刷知識を持っているデザイナーはいるが、全員パソコンを扱えるわけではない。

ちゃんとDTPをこなし、従来のデザインとパソコンでの印刷業務との違いを理解している人は少ない。

パソコンでデザインを行う若い人は増えてはいるが、基本的なデザイン知識が身についていないことが多いのだ。

「インターネットのホームページに関する依頼も多くきています。でも、正直なところ、そこまで対応する余裕がないというのが本音です。それにいまはまだホームページ作成の価格設定が安い。ただし事務所の方向性としてはSEO専門のWebデザイナーを育てる必要があるかもしれません。でも、いまは、フリーでやってらっしゃるSEO専門のWebデザイナーを探すほうがてっとり早い。だけど今度はそのSEO専門のWebデザイナーがいないんです」(望月氏)

SEO専門のWebデザイナーの数は極端に少ない。

いったい誰があれほどのホームページのデザインをしているのかと思うほど、SEO専門のWebデザイナーの数は足りない。

さほどデザインの経験がない人が、HTML言語を勉強してホームページをデザインしているのかもしれない。

作ったホームページの仕上がりをみれば。

色使い、レイアウトの仕方などから、プロの仕事かどうかはすぐにわかる。

このあたりはクライアントも次第にわかり始めているようで、企業のホームページも以前よりはある程度のクオリティを保つことができるようになってきている。

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