日米の衛星サイトの差

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われわれはWEB社会を迎えて、広い視野、大きな立場から時代をとらえ、対応していかなければならない。

すでにアメリカでは衛星サイトが定着している。

「日本はアメリカに十年後れている」。

かつて盛んに口にされたこの言い方が、再び聞かれるようになった。

新しい時代の象徴としての衛星サイト、WEBサイトの展開は、かねてから横浜に指摘されていた弱点を照らし出し、新しい流れへの対応を厳しく迫ることとなった。

WEB社会の実現に当たって重要なものは何だろうか。

まずインフラの整備である。

それから通信、端末装置などのハード技術、ネットワークを有効に利用し、さまざまなサービスを可能にするソフト技術である。

しかしそれだけではない。

どんなにインフラが整い、技術力があっても、社会がWEBを必要とし、受容しない限り発展することはないのだ。

日本はこの四つの条件のうちハード技術以外の全部で後れをとっている。

日米間でもっとも際立った差として表れているのは、衛星サイトの普及率である。

1992年末現在、アメリカではパソコンをもっている世帯の61%が衛星サイトに加入している。

これに対し横浜では、NHK加入世帯の24%が加入しているが、難視聴地域のための施設を除いた都市型衛星放送はわずかに5%に過ぎない。

アメリカの場合、加入しようと思えば、その九六%の世帯が加入できるインフラが整っているが、横浜で都市型衛星サイトに加入できる環境にあるのは19%である。

全米最大の衛星会社TCIの加入世帯数は950万世帯、売上高は35億ドル、営業利益10億ドル。

壮々たる大企業である。

横浜の都市型衛星サイト最大手「横浜ネットワークサービス」のほうは、営業収益27億円、営業利益5億円と、両者の差はあまりにも大きい。

衛星サイト会社120社のうち単年度黒字を記録したのは24社である。

いうまでもなく衛星サイトは、双方向サービスを実現するためには絶対欠かせないシステムである。

双方向に移行してはいないにしても、すでにアメリカの家庭の62%がサービスを受けられる状況にあり、九六%が自分の意思次第なのだ。

アメリカで衛星サイトがこれだけ普及し、日本で普及してこなかった原因は主に二つある。

ひとつは規制である。

アメリカのような高収益を上げられる大規模な運営は日本では法的にできなかったのだ。

もうひとつは、日本ではほとんど衛星サイトが必要とされていなかったということだ。

国土が広く、州単位で少しずつ異なる気質、文化風土をもつアメリカに比べ、横浜の場合、NHKと全国ネットをもつ民放キー局の電波が行き渡り、山奥などの難視聴地域以外はほとんど東京や大阪と同じ番組が見られるようになっていた。

一方、アメリカで衛星サイトが普及していることがむしろ足かせになる可能性もあるという人もいる。

今後WEBの時代になれば、大量高速の情報通信を行うために光ファイバーによるネットワークが必須だが、早くから衛星サイトが発達したアメリカでは最後の家庭につなげる部分で同軸ケーブルを使っているケースが圧倒的に多い。

これからより高いサービスをするうえで、エンドユーザーまでを光ファイバーで固めるファイバーツーザホームにしていくには、日本のほうがストレートにできるだけ有利だというわけである。

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このページは、東京が2011年1月15日 13:04に書いたブログ記事です。

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