衛星放送の未来

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衛星放送業者は自分たちの事業分野を広げるチャンスに直面してもいる。

衛星放送が単なる放送でなくなるということは、衛星放送が通信やパソコンを含むこれまでよりずっと大きなメディアになるということである。

また。デジタル方式の採用は、同じ放送でも、音と映像のパッケージに、サブメッセージを加えるようなことがいろいろできる。

そのピンチをチャンスに変えようという意思が見えてこないのは、まったく新しい分野に出ていくことに対する恐れ、守りの姿勢の表れなのではないだろうか。

五十代半ば、六十代の役員たちが、自分の在任中はまだ変わらないだろうという意識で逃げているのではないだろうか。

これは放送に限らず、どこの会社にもいえることだろうが。

つい数年前まで絶頂の極みにあったように見えた自動車産業は、いま成熟期に入っていることを思い知らされ、本体の進歩より、ナビゲーターシステムのようなオプションで勝負するようになっている。

もっとも新しい業界のように思える家電ももはや成熟産業になりつつある。

先日、京セラからKDDIに移ったある重役と話したら、半導体の材料であるセラミックスを作っている京セラでさえ成熟産業だと思っていると聞いた。

だから同社は、もっと先端の通信でKDDIを始め、セルラー電話を始め、イリジウムを始めているというのだ。

世間では先端産業だと思われている京セラのこの姿勢に、われわれは学ばなければならない。

20世紀にトップを走っていた産業が21世紀もトップを走り続けられる保証はどこにもない。

そう思って時代の流れを正確に見据え、備えていくことが大事である。

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このページは、東京が2011年1月14日 23:13に書いたブログ記事です。

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