2000年(平成12年)に打ち上げを予定している放送衛星「BS-4」の先発機はハイビジョンや「WOWOW」と同様のアナログ方式だが、後発機に適用されるのはデジタル方式だ。
これで、放送業界も全面的にデジタル化されるだろう。
衛星放送だけでなく、ほとんどの放送をデジタル化することで、日本もいよいよデジタル時代を迎える。
デジタル化は同時に多チャンネル化が可能となる。
今後、CSデジタルTVの加入者が増え、多チャンネル放送が一般の視聴者にまで普及する可能性は高い。
そうなるとソフトの充実、つまりコンテンツ(番組の内容)をグレードアップできるかが生き残りの分かれ目となる。
こうなると、従来のように放送業界の新聞社を母体とした"系列化"(読売=日本テレビ、毎日=TBS、産経=フジテレビ、朝日=テレビ朝日、日経=テレビ東京)、および番組制作というソフト部門の多くを"下請け"で補ってきた体質が問題となってくる。
スポンサーの提供によって無料で視聴できた情況に甘んじる消費者は依然としているだろうが、コンテンツで勝負する多チャンネル時代では、"系列化"や"下請け依存"といった経営システムは成立しない。
いま放送業界は、スポンサーがいなくてもコンテンツの魅力によって一人立ちできるかどうかの瀬戸際に立たされているといっても過言ではない。
これが従来のスポンサー付きの番組作りに堕してしまったり、海外ソフトに依存してるだけでは、今後の日本の放送文化には期待できない。
ほんとうの意味でCSデジタルTVが繁栄するには、視聴者が料金を払ってでも観たいコンテンツをどれほど生み出せるかにかかっている。
海外でも通用するようなコンテンツ作りと、そのオリジナリティが求められているのだ。
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