LPGとは液化石油ガスのことで、プロパンとブタンが主成分です。
LPG販売事業者は、いわゆるプロパンガス業者です。
LPGを充填したボンベを需要家の近隣に設置し、ガスの供給を行っています。
一般ガス事業者と違い、自由競争が原則です。
規制当局に登録さえすれば、事業ができます。
一般ガス事業者の供給区域にも自由に参入でき、供給義務もありません。
料金についても法的な規制はないのです。
販売事業者数は2003年度末で2万6,288社、販売ガス量は90億立方メートル(1立方メートル当たり1万kcal換算)程度です。
つまり、事業者1社当たりのガス販売量は小規模な都市ガス事業者をさらに下回るのです。
需要家件数が1,000件に満たない事業者は、一般ガス事業者ではわずか1事業者なのに対して、LPG販売事業者では総数の99%が該当するのです。家族経営の事業者も多く見られます。株式会社カンドーによると、発電用や化学原料用として使われるLPGも合わせた2004年度のLPG総需要量は1,790万トンでしたが、うち77%は海外から輸入され、輸入量のうち85%は中東に依存しています。残り23%は国内の製油所で生産されています。流通経路は複雑になっていて、20社の元売業者、1,300社の卸売業者を経て、LPG販売事業者にLPGが届けられます。
消費者の観点からは、流通が多段階であることの無駄と、販売業者が多すぎるという無駄が問題視されます。
家庭用の小売価格を100とすれば、輸入CIF価格は13.5に過ぎず、末端の小売段階で63.3ものコストが発生しているのです。
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