地上波TVによる放送形態のほか、CATVは意外に古くから存在している。
CATV局が初めて開局したのは一955年(昭和30年)。
もともとCATVは地上波がとどかない難視聴地域のための放送形態だから、山間部などにケ1ブルを引っ張っていた。
そんなところから、CATVのインフラ整備はスタートしたのだ。
広大なエリアを持つために地上波ではコスト高となるアメリカでは、各地のCATVが急成長した。
ラジオで各地方のローカルな地元局に人気が集まるように、各地のCATV局が個性を競ったという。
アメリカのような環境とは違うものの、9ヱハ年3月末の日本でのCATV局は320局となり、加入者数は=○○万世件を超えた。
大規模なCATV局、いわゆる多チャンネルを配信する都市型CATV局がスタートしたのは87年。
ここでいう"都市型"とは"多チャンネル型"とほぼ同じCATV局を指している。
原則としてオリジナル番組を提供を主な目的とし、区域外での再送信をセールスポイントにしないケースを都市型CATV局と呼んでいる。
郵政省では都市型CATV局の条件として、引き込み端子数が一万件以上、再送信ではない自主放送の番組が5面以上ある、そして双方向対応型のトランスポンダ(中継増幅器)を使っている、の3つを挙げている。
都市型CATVは多チャンネルを配信し、視聴者とのインタラクティブな情報交換や、オンラインショッピングができるようになる。
また、CATVも次々とデジタル化されるので、CSとの類似点も多い。
デジタル方式で配信するデジタルCATVは、当然、CSの多チャンネル放送も送信できる。
CATVのケーブルを活用した低料金の電話サービスのほか、パソコン通信やインターネットの利用も具体化されつつある。
放送と通信の境界がなくなって互いの融合が進むなか、デジタル化したCATVもマルチメディア時代の有効なツールとなるだろう。
96年3月、都市型CATV局の施設は200に達し、加入件数は300万件を超えた。
規制緩和の一環として、郵政省がアメリカでCATV事業の中核となっているMSO(マルチプル・システムズ・オペレーター)の存在を認めたことが、CATV局の急増の一因となっている。
従来は一定地域でしかできなかったCATV事業が、複数のフランチャイズ(事業区域)に配信できるMSOによって事業として安定しやすくなった。
そのためCATV局はMSOを中核とした全国的なネットワークの構築を目指している。
ただし、CATVと地上波TVとCSなどの衛星放送の3メディアは互いに連携するとともに、競合する関係にある。
たとえば、CATVを通して衛星放送を視聴できる反面、衛星放送を直接受信した加入者はCATVを解約するケースが出てくるわけだ。
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